潜在看護師の解消を図るマッチングサイト

看護師の人材不足は深刻化してきており、それが理由で病棟の一部が閉鎖した医療機関も少なくない。そんな状況の中、潜在看護師の数は全国で71万人もいるといわれている。そこで各都道府県では、潜在看護師のための復職支援プログラムや研修制度などを実施し、社会復帰を促すべく尽力しているのが実情だ。例えば、愛知県では「再就業のための実務研修」を実施している。内容は5日間集中コースと年2回の講義を受講する講義選択コース、1日単位で希望の研修が受けられる技術選択コースの3コースだ。

また、看護師の人材不足は医療機関だけの問題ではない。介護施設の中でも、特に訪問看護ステーションでの人材不足が深刻だ。こちらも各都道府県で訪問看護に就くための研修を実施している。看護師の人材不足の解消が急務となっている訪問看護だが、この状況にメスを入れるべく立ち上がった企業が複数出てきているようだ。その内容は、インターネット上で介護者と看護師を直接結ぶマッチングサービスである。在宅療養中の人や要介護者は、明日きてもらえる看護師の顔と時給をサイトで確認し、予約するだけだ。主婦や他のパート職に就いている潜在看護師も、空いている時間を訪問看護に充てることができる。こうしたサービスは増え続けることが予想され、潜在看護師が活躍しやすい世の中になると期待できるだろう。ただし、全ての高齢者がインターネットを使っているとは限らず、その点は課題として残るかもしれない。