社会復帰を促す復職支援プログラム
看護師の仕事をしている女性の中には、結婚や出産のタイミングで仕事を辞めるケースは少なくない。国家資格が必要となる看護職は引く手数多な職業であり、慢性的な人手不足で悩んでいる医療業界においても貴重だといえる人材だ。そのため、他の仕事に比べて復職しやすいのが特徴で、実際に子供の成長によって育児が一段落したタイミングで、社会復帰を考えるケースも多いとされている。しかし、中には復職を希望していても行動に移せず、二の足を踏んでしまう人も少なからずいるのが実情だ。この理由として、休職によるブランクが挙げられる。これは看護師の仕事に限ったことではないが、専門の知識や技術が必要な仕事ほど、ブランクの長さが仕事に影響しやすい点は否めない。
そこで、こういった仕事に復帰をしても足手まといになってしまうのではないか、と不安を感じている人に向けて行われているのが、復職支援プログラムだ。離職中、いわゆる潜在看護師と呼ばれる人材がスムーズに社会復帰できるように研修を実地したり、相談を受けつけたりしている制度である。この復職支援プログラムは自治体だけでなく、それぞれの医療機関が独自に行なうケースもあり、大半が無料で参加することが可能だ。内容についても、1日から1週間までいくつかのコースの中から自分に合ったものを選択して受講できる。この取り組みによって復職者の数も徐々に増加しているというデータもあり、将来的な人材不足の解消に繋がることが期待されているのだ。